(Hine's 兄さん) 徒然雑記

不定期更新ですが、徒然に思うコトを書きとめてみる

新しい関係が始まった

少し前の話しですが、アメリカが中距離核戦力、INFの全廃条約を
破棄すると表明しました。
これに対し日本側の反応は、
「このような状況が改善されることを期待したい」との懸念です。


もともと、INFという条約は米ソ冷戦時代に出来た条約で、
すでに、冷戦は過去のモノ。
まぁ、日本人にとってはまだ続いているのかも知れませんが、
日本はINF条約の外にある中国をどう考えているのでしょう。


INF全廃条約(Intermediate-Range Nuclear Forces Treaty)とは、
1987年に米ソ間で中距離核戦力を全廃することを定めたモノです。
アメリカもロシアも、INFを持てない状況なのに、
中国はこの条約に入っていないため、INFを持ち放題、造りたい放題。


これを目のあたりにしているロシアはたまったモンではない。
そりゃ、条約違反をしてまで、中距離核戦力に力をいれて当然。


と、いうワケで、アメリカの条約離脱をめぐり、ロシアのラブロフ外相は、
核兵器やミサイルの保有について「戦略的安定に関する新たな条約」
アメリカと目指すと表明。
新条約について11月に議論を始めるという。


米露が想定する脅威は、大陸間弾道弾ミサイル(ICBM)なのですが、
中国を視野に入れた場合は、ICBMよりINFというワケです。
要するに、アメリカも、ロシアも中国のINFに対抗する手段がないので、
「対中国で連携しよう」「お互いの敵は中国である」と確認し合ったというコト。


核ミサイルなので、本気で撃つとかの問題ではなく、米ソ冷戦時にもあった、
「コスト戦略」でどこまで中国が軍事費を増やすのか、というのが課題。
それを仕掛けるためにも、INFの増強・配備などは有効で、そうなると、
中国側はさらに対抗手段が必要になりますから、軍事費の出費が増えます。


現在、貿易戦争を仕掛けるアメリカにINFを増強・配備され、
ロシアとの関係悪化で中露の国境沿いに陸軍の配置や、
海軍力の増強を強いられれば、中国は長くもたないと思われます。


冷戦真っ只中の米露と中国、日本は無関係ではないハズなのですが、
官房長官のあの発言、ポーズならいいのだけど・・・・。