(Hine's 兄さん) 徒然雑記

不定期更新ですが、徒然に思うコトを書きとめてみる

報道後進国の日本

東京新聞の望月衣塑子(いそこ)という女性記者。
菅義偉官房長官との応酬によって一躍有名人、というか時の人となりました。


定例記者会見での自説を交えた長い質問で、
時には、質問というよりも自説の開陳とでもいうべきものがあり、
それは事実確認の後に、自社で記事にすればいいのでは? と呆れる。


SNS時代の現代では、各メディアの記者本人がツイッターで意見表明も出来る。
望月記者の発言も注目されているので、
何も記者会見で「演説」しなくても十分な気がする。
また、同記者の著書『新聞記者』を原案とした映画が6月に公開されるなど、
安倍政権に対抗する"勇気ある女性"としてもてはやされている。


いずれにせよ、記者クラブという閉鎖的なコミュニティーの一員が、
その特権を活用して質問しているようにしか見えない。
特権を持つ人たちは、その権利の行使が自分たちに当然に認められていると
錯覚する場合がよくある。


まぁ、騒動をおさらいすると、沖縄県辺野古基地問題の事実をめぐり、
「東京新聞の特定の記者」が問題行為を行っているとして、
官邸が「問題意識の共有」を求める文書を、記者クラブに送った。
その後も、望月記者は菅官房長官に質問攻めを仕掛け、官房長官から
「あなたに答える必要はない」と指摘され、騒動に発展。
ついには、新聞労連などが加盟する「日本マスコミ文化情報労組会議」が3月14日に、
首相官邸前で集会を行い、知る権利や言論の自由を守ることを訴えた。


だいたい、他方紙やネットメディアなどは申請しないと記者会見には参加できないし、
その曜日も限られています。
望月記者が菅長官相手に「言論の自由」を貫こうとする一方で、
そのための時間は既得権(いわば取材の不自由の行使)の産物ということになる。
記者会見に参加できない多くの人は、望月記者に取材時間を奪われ、
さらには、その内容にげんなりしている人も無視できないほどいるハズ。


まぁ、官邸と新聞記者が対立するのは一向に構わないが、
国民の利益になるかどうかは別途考える必要がある。
本当に国民の知る権利を守るのであれば、大手マスコミの既得権益になっている
「記者クラブ」の廃止が望ましい。


例えば、問題となった官房長官の定例会見は、原則、朝夕の2回開いているのだが、
フリーランスやネットメディアなどの記者が参加できるのは、原則金曜日の午後のみ。
記者クラブに属する大手新聞社やテレビ局の記者が、情報を独占しているという状態。
政府側も、記者クラブに情報を与えて "操作"し、これまで世論を誘導してきた。


望月記者はその構図の中で、「記者としてのマナー違反」を繰り返しているために、
官邸側は手を焼き、騒動に発展しているにすぎない。
そうした既得権益の見直しには触れず、
集会で「国民の知る権利や報道の自由を守れ!」と叫ばれても、「なんだかな~…」
と、思ってしまう。


それと、勤労統計調査に関する「統計不正問題」を、
安倍政権の政治的圧力によるモノと「決めつけ疑惑を表明」しているのだが、
そもそも今、いわれている「統計不正」は、第2次安倍政権以前から
十数年にわたって行われてきた「不正」であって、これを「安倍政権の圧力」
とするのにはムリがある。
望月記者たちの「疑惑表明」を止めるコトは出来ないかもしれないが、
何年やっても、安倍政権の圧力など全く事実を見いだせなかった
「モリカケ騒動」と同じように、結局なにもない、出てこない、のがオチ。


で、新聞の論調が増税一色に傾いているのも、
財務省の記者クラブの存在が大きいのではないのか?
マスコミは基本的に、財務省から提供される情報欲しさに役人達に抱き込まれる。
またそれによって、新聞は、今秋に予定する消費増税の軽減税率の適用も
勝ち得ることができた、目標が達成できてよかったんじゃないか?
ただし、真実は、政府とか、庁省とかのマスコミ「癒着」によって、
国民は「情報統制」を強いられている。


望月記者をもちあげることよりも、記者クラブの廃止によって、
「癒着」を断ち切る方が、よっぽど日本国民のためになる。
ちなみに日本の報道の自由度は、世界で67位の「報道後進国」です。
ま、マスコミも省庁も政府も改革が必要ってことですか。