(Hine's 兄さん) 徒然雑記

不定期更新ですが、徒然に思うコトを書きとめてみる

ひとつの時代が終わるのだが…2

1989年1月7日に「平成」という時代に入りますが、
その4年前の1985年に「プラザ合意」という驚きの出来事がありました。
「アメリカの巨大な貿易赤字を解消する」というアメリカからの圧力を受け、
1ドル=240円が、約1年で120円になってしまうという超円高を経験します。
これは当時、大事件で、輸出には強烈なブレーキがかかりました。


で、この頃から、日本の経済的な台頭を抑えるためにという理由で、
「国際社会が中国に積極的に投資」特にアメリカは1990年代の入ると、
積極的に中国の成長を支えた始めます。
その背景には、「今の中国は共産主義国だが、自由主義国と貿易を増やし、
交流を深めれば、民主主義国に変わる」
という見通しのあまい期待があったから。
そして、日本はバブル崩壊以降、消費増税などで長期不況に苦しむことになる。
日本企業は、活路として、中国進出を加速させ、銀行もその動きを後押しし、
日本には中国製品が溢れ、国内産業の空洞化を招くことになった。


で、その中国なのだが、中国国内への過剰なインフラ投資などを進め、
景気の好調を演出、海外からの投資を招き、流れ込んだおカネは軍備拡張の
資金源として、中国は対外的に膨張し、現在に至る。


多くの日本企業は"円高ハンデ"のある国内から逃れ、中国などに工場を移転。
さらに、現地でつくった安い製品を日本になだれこませ、
国内の製造業は「空洞化」「弱体化」して行き、グローバル化の正体が見え始まます。
「メイド・イン・ジャパン」「技術」も陰りを見せ、
「2位じゃダメなんですか?」といわれたスパコンも、今や2位どころか7位に転落。
上位は軒並み米中に占められ、日本の最高速度マシンは、
中国の最高速度マシンに5倍もの性能差をつけられてしまいました。


今、世界では「製造業の復活」がトレンドで、ドイツは「インダストリー4.0」を、
中国は「製造2025」を推進させ、アメリカも「アメリカ・ファースト」
「製造業の復活」を主軸に置いた政策がとられています。
特に「AI(人工知能)」の開発競争も熾烈で、例えば、AIを動かすのに必要なのが
「AIチップ」、この開発に、アメリカからはアップル、アマゾン、グーグル、
テスラ、IBM、インテルなどが、中国からはアリババ、バイドゥなどが参入し、
しのぎを削っています。


この分野に取り組む日本企業は、スパコン「京」を開発した富士通くらいのもの。
「製造業の次期主戦場」といわれる領域で、日本の存在感はほとんどない。
こうした技術は、「ミサイルの軌道計算」「サイバー攻撃」「ロボット・ドローン兵器」などの軍事に転用され、「核に匹敵するゲーム・チェンジャー」となります。
安全保障面でも、国家の盛衰をわけるモノとなるのですが、「働き方改革」
見せる政府の介入が、自由を奪い、努力を奪い、『失われた30年』からの復活を奪う。


本来、求められるのは、その昔、松下電器、ソニー、東芝、サンヨーなどの
電器産業が世界を席巻していた頃のように「メイド・イン・ジャパン」
復興ではないかと思う。
「インダストリー4.0」「製造2025」「アメリカ・ファースト」のような、
「全方位」から製造業を支援する国策です。


トランプ政権の製造業支援策は、「税制」から始まりました。
「法人税減税」は有名ですが、その他にも、「海外子会社からの配当課税の停止」
「海外から生産拠点を戻す際にかかる税金の減税(レパトリ減税)」など、
ありとあらゆる方法で、国内回帰を促しています。
また、「STEM教育」(科学、技術、工学、数学)」を普及させ、
「製造業の仕事は単調で、安月給で、過酷」という間違った考えを正す啓蒙活動も
行っています。


日本も「税制」「教育・啓蒙」「規制緩和」「研究投資」「貿易協定の見直し」など、
ありとあらゆる政策を総動員するコトで、この平成の『失われた30年』を立て直す
気概を見せてほしいと思う。
再び「ものづくりの英雄」を生み出せる「令和」の時代が来ることを望む。