(Hine's 兄さん) 徒然雑記

不定期更新ですが、徒然に思うコトを書きとめてみる

マクロンで大丈夫か?

フランスで、大規模なデモが起き、一部が暴徒化。
G20から帰国したばかりのマクロン大統領はさっそく現場を視察したのだが、
「マクロン辞任!」という罵声で迎えられ、踏んだり蹴ったり。
今回のデモは、来年1月に予定されている軽油とガソリンの燃料税の引き上げに対する
不満がデモにつながったが、根底にはマクロンが進める「構造改革」に不満があり、
それが臨界点に達したというコトらしい。
ま、マクロン大統領のグローバリズム的な政策に反感が高まった結果でしょう。


今回、デモの参加者は約13万6千人、逮捕者は400人以上。
こうしたデモは11月中旬から始まり、次第に規模が大きくなったようです。
(次回は12月8日にデモを行うという予告もされています)
参加者の多くは、地方に住む中間層や労働者階級。
トラック運転手などが着用する"労働者の象徴"である黄色いベストを着ているため、
「黄色いベスト」運動と呼ばれています。
(フランスの公共交通機関インフラはお世辞にも便利とはいえない問題もある)


彼らが訴えているのは、「燃料税増税への反対」
マクロン大統領は、根拠の薄い地球温暖化対策でエコカーを普及させたくて、
来年1月から軽油やガソリンなどの増税を行おうとしていたのだが、
仏自動車大手ルノーの電気自動車の購入には補助金をつけると発表した。


基本的にクルマでの移動が不可欠な地方在住の国民からすると、
燃料費の値上がりは死活問題であり、電気自動車を買おうにも、
そんな金はないという人達が圧倒的に多い。
しかも、マクロン大統領の
「(軽油やガソリンを買うお金がなければ)電気自動車を買えばいい」という発言が
火に油を注いでしまった。
その昔、このフランスで、王妃マリー・アントワネットが
「パンがなければ、お菓子を食べればいいじゃない」と発言し、
その後、フランス革命が起きてしまうのだが、
なんだかその当時を想起させるような発言に対し、国民が激怒してしまった。


で、結局、フランス政府は燃料税の増税を延期すると発表した。
これが、移民だらけで失業者だらけのグローバリズムが先行する国の
行きついた姿かも知れない、まぁドイツも同様に。


そんなマクロン大統領は11月に
「米中露から身を守るため、欧州に欧州軍が必要である」と語り、
「古い悪魔が再度目覚めつつある」として、ナショナリズムや孤立主義を批判。
トランプ大統領をナチスの再来と思わせるかのような演説も行い、
欧州連合(EU)の結束を訴えかけた。


グローバリストであるマクロン大統領には、
トランプ大統領が常々語る「自国ファーストの重要性」という
「国家意識の大切さ」がわからないのではないのか?
ま、それは安部政権も似たようなモンですけど。


トランプ大統領の「自国ファースト」は、自己中なものではなく、
「自分の国のことは自国で責任を持つべき」という国家主権や愛国心を尊重するモノ。
一方、マクロン大統領が守りたいEUは、
本物の国家意識や愛国心が欠如し、他国に依存する構造的な問題がある。
だいたい、貧しくて経済規模の小さな国を数カ国で養わなければならない。
養ってもらっている国はそれでも良いが、養う方は益々大変になって行く。
今後それらは、EUのなかで、経済的に貧しい国が増えることによって
もっと明らかになる。


日産ゴーン会長の逮捕劇というか、追放の背後には、
マクロン大統領やその背後に控えるEUや欧州の巨大資本勢力と、
これに警戒感を強めるトランプ政権の米側の資本勢力、
それに、日産の経営陣や日本政府による様々な思惑が介在しているコトでしょうが、
いいかえれば、「グローバリズム VS 自国ファースト」ってコトでしょう。


今後、EU解体の流れはいろいろなところで起きると思います。
真の国家主権や愛国心を国のリーダーや国民が持たなければ、
国家の没落は簡単に起きる。