(Hine's 兄さん) 徒然雑記

不定期更新ですが、徒然に思うコトを書きとめてみる

中国化したのかフランス

ゴーンさん逮捕からこんなコトになって来ました。



パリ時事】フランスのマクロン大統領が、
仏自動車大手ルノーと日産自動車、三菱自動車の3社連合について
安倍晋三首相と協議する意向を示したことが分かった。
29日付の仏経済紙レゼコーが報じた。
30日からアルゼンチンのブエノスアイレスで開催される
20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて調整される見通し。


ある仏政府顧問は同紙に対し、「権力闘争になればわれわれは大砲を持ち出し、
ルノーに対して日産株の出資比率を上げるよう要請する用意がある」と言及。
3社連合の主導権争いが注目される中、
ルノー株を15%保有する筆頭株主として仏政府が影響力を行使する可能性を示唆した。


現在ルノーは日産に43.4%、日産はルノーに15%をそれぞれ出資している。
日産側はルノーとの「不平等」な資本関係を見直したい考えだが、
ルメール仏経済・財務相は資本比率の現状維持を主張している。


これは、もう国家的脅迫というか、中国並みの脅し。


仏自動車大手ルノーと日産自動車の関係について、
フランスのルメール経済・財務相は先月27日、
「パワーバランスの変化を望まない。(現状の)権力の分配は良好に思える」と述べ、
日産の資本関係の見直しの動きをけん制しています。


ルメール経済・財務相は以前にも、
「ガバナンス体制の基本は変えないことを、世耕弘成経済産業相と合意した」と発言。
世耕弘成経済産業相は「我々(政府)は株主でもない。
人事やガバナンスを含めて政府が口を出すべきではない」
と反論。


そもそも、日米は「国家が企業を支援するのはフェアではない」というスタンス。
日米首脳会談やアジア太平洋経済協力会議(APEC)でも繰り返し発言されている。


「日米両国は、第三国の非市場志向型の政策や慣行から日米両国の企業と労働者を
より良く守るための協力を強化する。
したがって我々は、WTO改革、電子商取引の議論を促進するとともに、
知的財産の収奪、強制的技術移転、貿易歪曲的な産業補助金、
国有企業によって創り出される歪曲化及び過剰生産を含む不公正な貿易慣行に
対処するため、日米、また日米欧三極の協力を通じて、緊密に作業していく」


この声明は主に、中国を想定したモノだと思うが、
中国だけが対象というわけではなく、ルノーの件にも該当するのではないか?
政府が筆頭株主である企業が提携関係にある他国の企業を支配しようという動きは、
まさにコレでしょう。


かねてよりフランスは、世界一の自動車メーカー誕生に野望を抱いていたらしい。
で、その世界一に至る構想が「中国市場」です。


ルノーや日産などは10月に、
中国の自動運転開発企業「ウィーライド エーアイ」への出資を発表。
昨年12月には、ルノーが中国の華晨中国汽車(ブリリアンスチャイナ)との間で
合弁会社を設立し、EV(電気自動車)を生産するなど、対中傾斜を隠そうともしない。


この、ルノーの中国企業への投資拡大は、フランス政府も同調していて、
マクロン仏大統領は今年1月に中国の経済圏構想「一帯一路」について、
「重要な提案であり積極的に参加したい」と表明。
両国は、10億ユーロ(約1350億円)規模の投資ファンドを創設すると発表。
まぁ、左翼系からでた大統領ならそうなる可能性は極めて高い。


アメリカから貿易戦争を仕掛けられている中国は、
トランプ米政権と距離を置くフランスやドイツに活動の輪を広げ、
「対中包囲網」を打破しようと躍起になっているようです。
このような経済大国といわれる国の思惑が渦巻くなかで、
日産がルノーの子会社になることが、果たして日本の国益にかなうのか、
というのは疑問です。


最近、顕著に左側か、右側かということで世界が二分されつつあり、
解りやすいですが、日本のようにどちらにもいい顔するのもどうかと思う。