(Hine's 兄さん) 徒然雑記

不定期更新ですが、徒然に思うコトを書きとめてみる

百害あって一利なし


米紙のウォールストリート・ジャーナルが、
日本で10月に予定される消費税率引き上げについて
「安倍首相は、今年10月に消費税率を現行8%から10%に引き上げることで
日本経済に大打撃をもたらそうとしている。
企業も家計も、かつての経験から消費増税がどんな結果を生むか知っている」

「世界の経済成長が加速し、米国発の貿易摩擦が緩和すれば、
日本を後押しするかもしれない。
しかし、安倍首相の増税は自分で自分の首を絞めることになるだろう」

との社説を掲載。


また、この社説では、日銀企業短期経済観測調査(短観)など
日本の経済指標は ”さえない内容” であると指摘。
輸出頼みの日本経済は中国や欧州など世界経済の減速の影響を受けやすいと強調。
また、アベノミクスの「第3の矢」とされる成長戦略が「全く始まっていない」とし、
これは「投資と生産性の伸びの重荷である」と批判した。


とまぁ、明らかな"皮肉"ですが、「おっしゃるとおり」です。
消費増税の結果が良くない理由は明らかで、
これまでも消費増税で、景気が良くなったという話しは聞いたことがない。
日本のGDPの約6割を占めているのは、個人消費なので、
消費税が上がれば、みんな物を買わなくなる、だから景気が悪化する。
単純かつ簡単な話しです。


外食する時でも、食料品を買う時でも、どんな時でもそうでしたが、
消費税が5%から8%に上がってしまった後に感じたのは、+3%がついた値段。
多くの人は、「えっ!?」と感じたハズ。
950円が1000円で収まるか、1000円を超えるか、些細なコトですが、
目で見た数字で「うっ」と一瞬躊躇してしまう。
なので、食料品など1000円以内に収めることが多かったのではないでしょうか。


小売側からすれば、消費税が上がってしまった分だけ、
以前は売れ筋であったモノが、売れにくくなり、売り上げが減る。
消費税が上がると、人は「値上がり感」を感じ、消費を抑える。
これは当たり前のコトで、この現象がデパートやスーパー、コンビニや、
多岐にわたる小売業界を苦しませている最大の原因になったように思います。
それと、人が消費を抑えるのは、所得が伸びていないから。
所得が伸びていないのに、消費税だけが上がっていくので、
消費はどんどん抑えられて行くのもあたり前。


もし政府が、本気で税収を増やしたいと考えているのであれば、
まず、所得を伸ばせる方法を政策面から考え直さなくてはならいと思います。
ところが政府は、"インチキ統計データ" で所得を誤魔化していました。
ウソで所得が伸びたとしてもまったく意味がない。


また、政府は国民の負担を和らげるため、軽減税率を導入しようとしています。
例えば、ピザを買いに行きました。
ピザ屋さんは箱にピザを入れてくれます、持って帰るので消費税は8%のままです。
ところが、ピザを持って帰る時の箱には仕入れで10%かかっています。
だいたい、箱代もピザの価格に入れ込んでいるので、
ピザ屋さんはこの仕組みでは、箱代にかかる消費税の2%を永遠に回収できません、
さてどうする? などなど、軽減税率のアホらしさに、呆れるしかない。
で、消費税を上げますといいながら、『還元』とかいってます。
上げるなら上げる、上げないなら上げない。
還元しなければならないなら、上げる必要がない。


本来、国民が「所得が増えた」と実感できるのが最もよい政策で、
所得を増やすには、名目賃金が上がるのが一番であり、
今まで時給1000円のところが、時給1100円に上がればよいわけで、
時給を上げずとも、消費税をなくせば、経済を活性化させるコトができるでしょう。
国民の自由になるお金を増やすコトで、時給も上がって行くでしょう。


今の政府の方向性は、真逆で、控除をどんどん減らして、
税率も上げようとしていて、新しい税までつくろうとしています。
まぁ、消費税の増税は「百害あって一利なし」としか思えん。
これでまた国の税収がムダに使われ、税収が落ちる。